397人が本棚に入れています
本棚に追加
「梶真!俺、告白成功した!野々宮、付き合ってくれるって!」
「……良かったじゃん。おめでと」
「マジ信じらんねー!やべぇ!」
「うわ、抱きつくなバカ」
忘れもしない、高3の夏。
友人の関は同じクラスの綾乃に告白した。
綾乃は間違いなく俺達の学年ではNo.1の人気で、それまでも何人もの男が綾乃に告白をしてはフラれていた。
美人で頭が良く、性格も温厚で友人も多い。
文句のつけどころのない存在。
それなのに彼氏がいないから、もしかして女が好きなんじゃないかなんて噂が流れるほどだった。
「夢じゃないよな?これ。現実だよな?」
「……現実だよ」
告白なんかしたって、絶対にフラれて終わりだと思っていた。
フラれて気まずくなるくらいなら、告白なんかしないでこのままの関係を保ち続けた方がいい。
臆病で狡い俺は、高1の頃から綾乃の事を密かに好きだったくせに、想いを伝える事から逃げていた。
……だけど、関は違った。
最初のコメントを投稿しよう!