溺れて、潰れていく心

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「梶真!俺、告白成功した!野々宮、付き合ってくれるって!」 「……良かったじゃん。おめでと」 「マジ信じらんねー!やべぇ!」 「うわ、抱きつくなバカ」 忘れもしない、高3の夏。 友人の関は同じクラスの綾乃に告白した。 綾乃は間違いなく俺達の学年ではNo.1の人気で、それまでも何人もの男が綾乃に告白をしてはフラれていた。 美人で頭が良く、性格も温厚で友人も多い。 文句のつけどころのない存在。 それなのに彼氏がいないから、もしかして女が好きなんじゃないかなんて噂が流れるほどだった。 「夢じゃないよな?これ。現実だよな?」 「……現実だよ」 告白なんかしたって、絶対にフラれて終わりだと思っていた。 フラれて気まずくなるくらいなら、告白なんかしないでこのままの関係を保ち続けた方がいい。 臆病で狡い俺は、高1の頃から綾乃の事を密かに好きだったくせに、想いを伝える事から逃げていた。 ……だけど、関は違った。
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