溺れて、潰れていく心

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『俺さ、野々宮に告白するわ』 『お前…フラれたらどうすんだよ。その後気まずいとか思わないの?』 『フラれたって俺は諦めない!何度だってアタックしてやる!』 関は見事に綾乃の心を掴み取り、2人の交際は学校中が知る事となった。 綾乃は告白された時点では関に特別な感情は抱いていなかったらしい。 だけど、関の熱い想いに心が動いたんだと後から人づてで聞かされた。 それを聞いたときの俺は、多分今までの人生で一番といってもいい程の後悔と自分への嫌悪感を感じたと思う。 最初から想いは届かないと決めていた自分。 伝えようともしなかった自分。 誰よりも彼女を好きな自信があったとしても、結局はそんなもの何の役にも立たない。 心の中に秘めているだけじゃ、何も変わらないし変えられない。 関と綾乃が付き合い始めたその時点で、彼女の事を諦めていれば良かった。 ……あのとき諦めてさえすれば、誰の事も傷つける事なんかなかったのに。
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