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それにしても、今回は俺とこの純粋過ぎる女子高生をくっつけようとするなんて…さすがに無理があるってアイツは気付いてないんだろうか。
関への文句を口にしていると、電話の奥の彼女は焦ったように早口で関のフォローに回り始めた。
そして、俺の電話番号はすぐに削除するから…と言い出して。
そのまま削除してもらえばそこで終わるはずの事なのに、何故か俺は『別に消さなくてもいい』というニュアンスを織り交ぜた発言をしてしまった。
何なんだろう。
絶対に傷つけたくない相手だからか。
妙に、気を使ってしまっている自分がいた。
「そういえば出張…一応、あんたにも土産買ってきたから」
「え!」
……そしてまた突然無言になる。
俺はその沈黙に耐えきれず、彼女の名前を呼んだ。
「…純?」
「ふぁいっ!」
ふぁいって…何だよその変な返事。
心の中で笑いながら、俺はそのまま気にせず言葉を続けた。
「…まぁいいや。とにかく土産、週明けにバスで会ったとき渡すから。いらないならいらないで拒否してくれてもいいし…」
「いらないわけないじゃん!ていうか、今すぐ欲しいくらいだし!」
「………」
やっぱりコイツ、俺の事好きなんじゃないの?
…と自意識過剰になってしまうくらい、彼女の必死さが電話越しに伝わってきた。
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