387人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょ…ちょっと大袈裟過ぎたよね。アハハ。ごめんね、でも棗くんがお土産を私に買ってきてくれたなんて、あまりにも信じられなさ過ぎて…でも有り難く受け取るね。また月曜日にバスで…」
「今、外出れる?」
ほら、また。
気が付けば思ってもいなかった事を口走っている自分。
壁に掛かっている時計を見上げると、ちょうど20時を過ぎた頃だった。
「外。出るの、無理そう?」
「で…出れます!」
『出れます』
その言葉を聞いた瞬間、俺は確かにほっとしていた。
「ちょうど今コンビニ行こうと思ってたから。今欲しいなら、そのついでに土産渡しに行けるけど」
「…3分で用意して出ます!」
彼女の家がどこかを聞くわけにもいかず、以前偶然遭遇した公園で落ち合う事に決めて電話を切った。
「………」
アイツの必死さ、俺にまで伝染してんじゃん。
最初のコメントを投稿しよう!