君の好きが、胸の奥に響いたとき

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出張明けの月曜日。 昼休憩で社員食堂へ向かうと、ちょうど関が食券を購入している姿が後ろから見えた。 「…おい、関」 「うわ!びっくりしたー…お前、いきなりその低い声で話しかけんなよ!マジ焦るわ」 まるで幽霊でも見たかのような顔で俺を見てくる関に若干イラつきながら、純に電話番号を教えた事を問いただした。 「あれ、その事知ってるって事は…もしかして純ちゃんから電話きた!?」 「電話きた?じゃねーよ。お前が電話かけさせるように仕向けたんだろ」 俺の今日の昼食は海老天そば。 関はカレーライス。 カウンターで昼食を受け取った俺達は、空いている席に座った。 「だってさぁ、お前が出張だって言ったら純ちゃん面白いくらいにうなだれるもんだから、教えてあげたくなっちゃって」 「……別に怒ってるわけじゃないから、いいけど」 「え、勝手に教えた事怒ってないの?」 多分…関が番号を勝手に教えた相手が他の女だったら怒っていたかもしれない。 けど今回は、全くと言っていいほど、怒る気にはなれなかった。
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