君の好きが、胸の奥に響いたとき

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翌日、バスの中で顔を合わせた彼女はやっぱり風邪など微塵も感じさせないほど元気で。 「あんたさ、風邪ひいてたんだって?」 「え?風邪?ひいてないよ?」 …と、とても無理しているようには感じないような返しをしてきた。 俺を不思議そうに見上げながら。 「…いや、でも関が言ってたけど。風邪ひいてるあんたと病院で会ったって」 「……っ!そ、そそそそうなの!あの、あのときは風邪気味だったんだけど、い、今はもう治ってて!なので!大丈夫です!」 「もう治ったの?早くない?」 何を焦ってるんだか急に早口になって噛みまくる彼女は、「病院でもらった薬が、効いたから、も、もももう今は何ともなくて…」とそれもまた噛みまくりながら喋り出して。 一応のど飴をあげたら勢いは落ち着き、嬉しそうに笑いながらその飴を受け取ってくれた。
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