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「…あんたはまだ若過ぎる。社会に出れば、すぐにわかるよ。俺なんかより良い男なんて山ほどいるから」
必死で涙を堪えている彼女に対して、俺は次々と非情な言葉をたたみかけていく。
「今はまだ高校生だから、周りに俺みたいな年上がいないだけで…」
「だから、そんなんじゃないんだってば!」
黙ったまま聞いていた彼女は、そこで声を荒げた。
これでいいんだ。
後は、俺の事を嫌いになってくれればそれでいい。
俺にこの子は、勿体なさ過ぎる。
この子には、もっと良い男が……
「私は、棗くんだから好きになったんだよ。棗くんじゃなかったら……恋なんかしてなかった」
「………」
一気にたたみかけていた言葉を、失ってしまった。
今まで告白なら何人かにされた事はあるけれど。
……こんなにも胸を貫く告白は、初めてだった。
「……棗くんが、好き」
「……うん」
「好きです」
「……ありがとう」
純粋なその姿が眩しくて思わず涙が零れそうになり、俺は必死に笑顔を作ってみせた。
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