君の好きが、胸の奥に響いたとき-2

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「綾乃も純ちゃんと今日いろいろ話してみるといいよ。あの子、本当に良い子だからさ。なぁ梶真」 「……確かにあんな子…なかなかいないかもな」 本心で、そう思う。 あんな素直な人間、俺は今まで出会った事がない。 でも、彼女は少しだけ、どこか関に似ている気がした。 それは多分、その明るさや素直さの…ポジティブな部分が。 「おし、着いた着いた…あ、あれもしかして純ちゃんじゃない?」 車が待ち合わせの場所へ徐々に近付いていくと、確かに彼女らしき女の子がそこにはいた。 ……そしてその隣には、怪しい男が一名。 「梶真、純ちゃん車に気付いてないみたいだからお前降りて迎えに…」 と、関が言う前に俺は既に車を降りていた。 彼女に声をかけている男は…おそらく彼女と同年代の見るからに爽やかを気取っているような怪しいヤツだった。 早足で彼女の方へ向かうと、徐々に2人の会話が耳に飛び込んできて。 それは誰が見てもわかるくらい、あからさまなナンパだった。
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