君の好きが、胸の奥に響いたとき-2

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車に彼女を押し込み俺も隣に座ると、早速関がニヤニヤしながら後ろを振り向き彼女に声をかけた。 「おはよー純ちゃん!早速ナンパされてたね~」 「あ、やっぱりあれってナンパだったんですか?」 ……ナンパだったんですかって…今更かよ。 「純ちゃん、おはよ。可愛いね今日の服装。凄く似合ってる」 助手席から後ろを向いて綾乃がそう言うと、彼女は嬉しさを少しも隠す事なく照れ笑いを浮かべた。 「本当に似合ってますか?良かったぁ……ありがとうございます!」 すると正直者の関が、隣に綾乃がいるにもかかわらず、純の服装を可愛いと褒めだした。 しかも、俺にそれを振る始末。 「梶真もそう思うだろ?」 そう言われて隣の彼女に視線を移すと、一瞬その大きな瞳と目が合った。 以前土産を渡すために公園で会ったとき、彼女の私服は見ているはずなのに。 この日の彼女の私服姿には、正直一瞬目を奪われた。 白がメインのそのコーディネートは、彼女のイメージそのものだった。 だけど、いつもの『女子高生』の彼女よりも、少しだけ大人っぽくて。 何ていうか、つい見入ってしまいたくなる。
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