彼女が僕に、伸ばしてくれた手

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「昨日のドライブ、凄く楽しかったね。私なんかを誘ってくれて、めちゃくちゃ嬉しかったんだ。大人の中に私一人子供で、相当浮いてたかもしれないけど」 「……楽しんでくれたなら、良かった」 彼女は躊躇う事なく、昨日のドライブの話を切り出してきた。 まさか昨日の告白、忘れてるわけ……ないよな。 でもそう思ってしまうほど、彼女の態度が普通過ぎて。 何も変わらなすぎて。 俺は多分、戸惑いを隠せなかったと思う。 いろいろ話している内に、バスはあっという間に俺が降りるバス停に到着した。 「…じゃあ、また」 そう言ってバスを降りると。 ダダダ…と背後から足音が聞こえて。 振り向くと、また彼女が何故かバスから降りてきた。 「ちょ…あんたまた何で…」 「私…私やっぱり……棗くんの事、好きでいてもいい?」 ……そして彼女は、昨日に続き、俺の心を揺さぶった。
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