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「……それ、毎日?」
「え?うん。ほとんど毎日だよ」
「……へぇ」
棗くんのリアクションはやっぱり薄い。
だけど私はめげずに、最近の自分の話を続けた。
「あ、でも勉強だけじゃなくて…棗くんが言ってくれた通り、ちゃんと勉強の合間に息抜きもしてるんだよ。今日はね、クラスのみんなでプール行ってきたんだ」
「プール?いいね、夏らしいじゃん」
「でしょ?結構混んでたよ。私はあんまり泳げないから浮き輪で浮いたりして遊んでたんだけど、冬汰と未央は本気で勝負してた」
「……ふーん」
あ、やっぱり興味なさそう。
もっと棗くんを惹きつけるような話が出来ればいいのに、こういうとき自分の話術の未熟さを思い知らされる。
「……楽しそうだね、夏休み」
「んー…それなりに楽しんではいるかもしれないけど…でもやっぱり早く学校始まってほしいかな。学校始まれば、棗くんに毎朝バスで会えるし」
やっぱり私にとってあの毎朝の眩しすぎる時間がなくなった事は、相当な痛手になっていると思う。
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