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「あ…何かごめんね、私の話ばっかりしちゃった。棗くんは?最近何か変わった事とかあった?」
「変わった事?あー……うん。まぁ、あったといえば、あったかも」
「何それ…なんか中途半端な言い方だね」
「……まだ確定じゃないから」
「確定?何が?」
棗くんの言っている事の意味がいまいちよくわからず尋ねると、棗くんは「内緒」とだけ返して含みを持たせた。
「内緒とか言われると余計気になる……」
「俺の話はもういいから。それより、あんたの話してよ」
「え、私の?いいけど……別に面白い話なんて何もないよ?」
「なるべく面白い話にして」
「えー……」
凄い無茶ぶりをされながらも、棗くんに何か話してと言われて断るはずはなく。
結局、私の夏休みの日常について延々と語ってしまった。
面白い話なんて出来なかったけど、それでも電話の奥で時折棗くんの笑い声が聞こえたからほっとした。
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