367人が本棚に入れています
本棚に追加
「それより純さぁ、せっかく今日久々に棗くんに会えたのにね!早く風邪治さないと、またしばらく会えなくなっちゃうんじゃない?」
そうなんだ。
今の私にとって、それが一番の問題かもしれない。
せっかく今日棗くんに会えて、でもかなり気まずい雰囲気のまま棗くんはバスを降りて行ったから、明日には元通りに戻りたいのに。
このまま体調不良が続いて会えない日々が蓄積されたら……きっともう、棗くんと普通の会話さえ出来なくなってしまう気がした。
……それだけは、嫌だ。
「……棗くんに早く会いたいから、頑張って風邪治す」
未央と冬汰にそう宣言した私。
だけど実際は、宣言通りにはいかないもので。
その日病院に一泊した私は、翌日自宅に帰宅した。
このまま熱が下がれば次の日からは学校に行ける。
この風邪を完全に甘く見ていた私は、ただの風邪ならすぐに熱は下がってくれると思い込んでいた。
でも、退院して帰宅してからも、なかなか熱は思うように下がってくれなくて。
結局40度超えの熱を体験し、意識が朦朧とする中何日も寝込んでしまう結果になった。
最初のコメントを投稿しよう!