第20話 永遠に、叶うことのない願い

永遠に、叶う事のない願い

朝起きた瞬間から、頭がグラリと揺れる感覚があって。
それと共に、胸に酷い窒息感を感じた。

おでこに手をやると、いつもよりも熱を持っている気がした。

「……やっちゃった……」

私は風邪を引きやすい。
免疫力が低下しているからか、すぐに体調が悪くなってしまう。

それでも最近はわりと調子が良かったのに…数日前の夜、うっかり勉強したまま机の上に顔を伏せて寝てしまって。
その日から、夏なのに何となく肌寒さを感じていた。

そして今朝。
心臓の痛みとはまた違う息苦しさを感じながらも、周りに迷惑をかけたくないから誰にも言わずに学校へ行く支度をした。

何とかママとパパには体調不良を気付かれずに家を出れたのに、まさか棗くんに気付かれるだなんて……。

「……そう？調子悪いなら、学校早退した方が…」

「だから大丈夫だってば！」

……体調不良を指摘されたくなくて、つい棗くんに対して声を荒げてしまった。