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朝から自己嫌悪に陥ったまま、私は学校へ向かい始業式に出席した。
「もう、最悪!何で夏休み終わった途端にテストなんかあるんだろ。夏休み前にテストやったんだから、もうやらなくてもいいと思わない?」
「……本当だよね」
「しかも苦手な数学だしー!純の脳みそと私の脳みそマジで取り替えてほしいんだけどー!」
「……アハハ」
すぐ近くにいる未央の声が遠くから聞こえてくるような感覚に襲われながらも、私は未央の言葉に一つ一つリアクションを返していた。
朝バスに乗っていたときよりも、確実に熱が上がっている。
軽く息も上がってる。
だけど今日は午前中で授業は終わりだから、あと数時間我慢すれば誰にもバレずに家に帰れる。
家に帰ったら、すぐに布団に入って寝ちゃえばきっと明日には元気になって……
「純。お前、熱あるんじゃねーの?」
そのとき突然ひんやりと冷たい手が私のおでこに迷いなく触れて。
瞳にはぼんやりと焦ったような冬汰の顔が映って、途切れた。
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