第20話 永遠に、叶うことのない願い

永遠に、叶う事のない願い

先生の話によると、今回の発熱は持病によるものではなく、単に風邪からくるものだという事だった。

それを聞いて、ほっとした。
風邪なら、怖くない。
きっとすぐに熱は下がってくれる。

私が何よりも恐れているのは、心臓の持病からくる突発的な発作や体調不良。
毎月ちゃんと病院を受診して検査もしているから、急に命が危なくなるような状態にならない事は一応理解している。

だけど頭での理解に、なかなか気持ちがついて行かない。

『絶対大丈夫』なんて言葉、私は信じない。

予想していない事態が起きる事だって、私の体なら当然あり得ると思ってる。

私は大丈夫、そう自信を持って言えたら。

……どれだけ、楽になれるだろう。

「とりあえず今日は点滴して一日入院して、明日熱が下がったら自宅に帰る形でもいいかな？」

「……うん。よろしくお願いします、先生」

最近は調子が良かったから、少し無理をし過ぎてしまっていたかもしれない。

いざこんな風に調子を崩してしまうと、今までの努力が全て水の泡になってしまうような気がして気持ちが落ち込んでしまう。