ぼく

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しらない道を歩いていくと、おじさんはおおきな門のある、いえのまえでたちどまった。   「ここはね、私のおうちなんだよ」     ぼくはおうちをみあげたり、あたりをみまわしたりした。   おうちのにわは、とっても広かった。     おうちのにわにはお花畑があって、おじさんはお花の中にすわった。     ぼくもとなりにすわった。 きいろいお花がたくさんあって、いいにおいがした。     おじさんは、お花を1本ちぎって、ぼくのみみにちかづけた。     「お花の声が聞こえるかい?」     ようく耳をすませたけど、お花のこえはきこえなかった。     「きこえないよ?」     おじさんはまたニッコリ笑った。   「お花はね、ちぎるといたくて、聞こえないくらいの小さい声で泣くんだよ」     「お花もいたいのきらいなの?」     「痛いのは大嫌いなんだ。だからちぎっちゃだめなんだよ」   ぼくはお花を見つめた。   「ぼく、もうちぎらないよ!」   「約束できるかい?」   「できるよ! ぼくもうおっきいもん!」     「じゃあゆびきりしよう」     おじさんとぼくはゆびきりをした。     「さぁ、おうちに帰ろう」
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