諦める事は、決して簡単ではない

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それから数日後の朝、いつものバスの中で。 私と棗くんはいつもの定位置に立ち、いつものように会話を繰り広げた。 「あんた、また眠そうな顔してるね」 「うん…昨日また夜遅くまで勉強してたから。昨日は英語の勉強してたんだけど、やっぱり数学よりも私にとっては難しくて」 我慢しようと思っても、気を抜いたらすぐに欠伸が出てきてしまう。 最近の私は、いつもこんな感じ。 でも勉強を続ける事が自分の夢へ近付く地道な一歩だと思っているから、そこを妥協したくはなかった。 今は10月下旬。 受験本番まで、あと3ヶ月もない。 サボっている暇なんて、私にはないんだから。 「……そういえば、この間図書館で関に会ったんだって?」 「え?あ、関さんに聞いたんだ。うん、閉館間際の時間だったかな…勉強してたら関さんの姿が見えたから、びっくりしちゃった」 そっか、あの日の次の日は土曜日だったから、棗くんに関さんと偶然会った事を話しそびれていたんだった。
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