諦める事は、決して簡単ではない

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そして、2つめの理由。 これが、相当私にとっては難解だった。 ちょうど棗くんと海へ出掛けたあの日の数日後、学校で担任との個人面談があった。 そこで、担任にハッキリと忠告されてしまったんだ。 『そろそろ本気で勉強しないとまずいぞ。桐谷が受験する学校はただでさえ倍率が高いんだからな』 試験は1月10日。 合格発表は、その5日後。 私が受験する専門学校は、受験の倍率が約5倍にまで上る。 家から通える所、それがパパが受験を許してくれた条件で。 通学に無理のない距離で、尚且つ実績がありここに通いたいと思える学校を選んだ結果、5倍という倍率の中で戦う事になってしまった。 「もう少し倍率低い学校に変えれば良かったのに」 「……でもいろいろ調べて、あの学校に通って勉強したいって思ったから。だから、何としても受かるように頑張る」 正直今までの私は、頑張ると言っておきながらも、結局見たいテレビを優先してしまったり友達からの遊びの誘いも断らなかったり、好きなように過ごしてきたと思う。 でも、夏休み明けのテストが思っていたよりも点数が取れてなくて。 遊んでばかりいられないって、初めて危機感を持ち始めた。
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