自分の夢へ、近付くために

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「パパ、ママ。……私、絶対に受かってみせるからね」 自分の夢を叶えるためには、他人が動いたって意味がない。 自分で動き出さなくちゃ、何も始まらない。 もう、夢への一歩は踏み出してる。 踏み出したからには、後戻りなんてしたくない。 ……前に、進むしかないんだ。 「そんなに気張らなくてもいいのよ、純。今回もしダメでも、諦めなければ何度でも挑戦出来るんだから」 「……うん。でも、絶対受かるって、約束したんだ」 コートのポケットに入れた、棗くんから貰った御守りを握りしめた。 「約束したって…誰と約束したんだ?」 「もうパパったら、野暮な事聞かないの。そんなの、好きな人に決まってるでしょ?」 「すっ…!」 せっかく上機嫌だったのに、ママの爆弾発言でパパはすっかり不機嫌モードに逆戻りしてしまった。 「ちょっとママ…パパに余計な事言わないでよ」 「いいのよ純だってもう18なんだから。パパにはそろそろ少し現実を見てもらって、子離れしてもらわないとね」 「……確かに」 本番まで、あと8日。 あと8日、棗くんの事は一旦頭から離して、勉強に全神経を集中させる。 後悔だけは、したくないから。
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