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ランプは緑色に点滅していた。
ていう事は、電話の着信じゃなくてメッセージの受信だ。
カルピスソーダに伸ばしかけていた手をスマホへと移し、画面を覗き込んだ。
『今、勉強中?』
「………」
久し振りに届いた、棗くんからのメッセージ。
前は私の方からちょこちょこ意味もないメッセージを送ったりはしていたんだけど、最近は勉強に集中していたからメッセージのやり取りはしていなかった。
思わず息を飲み、一瞬で緊張が全身に伝わった。
もう、周りのカラオケの音なんて聞こえていなかった。
『今、学校のみんなとのクリスマスパーティーに参加してます。棗くんは?』
今日はクリスマスイブだから、棗くんが今日をどう過ごすのか本当はもの凄く気になっていた。
何日も前から、気になって仕方なかった。
でも、誰と過ごすの?なんて怖くて聞けなくて。
だから、考えないフリをしていたんだ。
棗くんは多分まだ、綾乃さん以降好きな人はいない。
新しい恋はしていない……はず。
それは何となく、毎朝バスで会話をする中でわかった事。
敢えて、新しい恋をしているのかなんて聞きはしないけど、棗くんを見ていればわかる事だった。
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