それは確かに、初めての恋だった

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「うわ、何その文。いまどき絵文字のひとつも送らないってヤバくない?」 「……だって私、絵文字とか顔文字とか上手く使えないし」 「もー、全然若さが足りないじゃん!好きな人相手にこんなシンプルな文章送ってる女子高生なんていないよ普通」 「……いいんだもん、私はこれで」 未央に散々ダメ出しされながらも、私達は一旦家を出ていつも行くカラオケへと向かった。 カラオケの最中も、私は自分のスマホがいつ鳴るのか気になって何度も何度も確認してしまって。 ……でも、何度も何度も確認しても、棗くんからの返事はなかった。 普通、お昼って休憩とかあるよね? 普通、そういうときってスマホとかチェックしたりする……よね。 でも一向に私が送ったメッセージに対して、読んだ事を示す『既読』マークは付かなかった。 「忙しくて読むヒマないんじゃない?」 「……だよね」 「お前もしかして、すぐに返信がくるとか思ってたんだろ」 ……思ってた。 だって棗くん、凄く気にしてくれてたし。 報告待ってるって言ってくれてたし。 だから、すぐに『おめでとう』って返って来るんじゃないかって……。
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