それは確かに、初めての恋だった

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「じゃあ夜のお祝いパーティーまで時間あるし、3人でカラオケ行こうよ!」 「またカラオケかよ。イブの日もみんなで行ったじゃん」 「あ、いいねカラオケ!行きたい!」 「お前らさぁ…カラオケ以外に行きたいとこないわけ?」 冬汰は不満そうだったけど、多数決で強制的にカラオケに行く事が決まった。 イブの日も確かに大勢で行って楽しかったけど、あのときはまだ受験前だったから正直心の底から楽しむ事は出来なかった。 それに、やっぱり冬汰と未央と3人だけで行く方が、気を使わずに歌いたい曲だけを歌えるから。 「あ、その前にさ、棗くんに報告しておいた方がいいんじゃない?受かったって」 「あ……うん、そうだね」 本当は、直接会って報告したかったけど、今は平日のお昼。 棗くんは当然仕事中。 会って報告するなんて、最初から無理な話だった。 アプリでメッセージの画面を開き、しばらく考え込んだ挙げ句。 結局私はいつものように、シンプルな文章を送った。 『無事に合格しました!いろいろ、ありがとう』 ポン…と指でタップして送信すると、未央が画面を後ろから覗き込んできた。
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