それは確かに、初めての恋だった

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「そういえば、今日の朝未央と冬汰から連絡きた。本番頑張ってねって、わざわざ応援メッセージくれたの」 「優しいじゃない、2人とも」 「……あとね、棗くんからも」 朝6時に、棗くんから一言だけメッセージが届いていた。 『緊張し過ぎて、問題読み間違えないように』 そのメッセージを読んだ瞬間、ふっと笑いが零れた。 その前日の夜、寝る前にちょうどパパに言われた言葉と全く同じだったから。 受験本番の日に伝える事なんて、他にいくらでもありそうなのに。 「……やっぱり、パパみたい」 棗くんはまたパパみたいって言うなって怒るかもしれないけど、『パパと同じ事言ってるよ』って正直に返信しておいた。 試験が終わったら、棗くんにメッセージを送ろう。 沢山、ありがとうって伝えよう。 それでもしも合格出来たら。 そのときは、また倍以上のお礼を伝えるんだ。 もういいからって拒絶されちゃうくらいに。
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