それは確かに、初めての恋だった

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「純!お疲れー!試験どうだった!?」 「……正直、半分出来て半分出来てない…感じ」 試験本番、指定された席に着席した瞬間、それまでなかった緊張感がいきなり一気に押し寄せてきた。 胸はドキドキ。 心臓はバクバク。 でも、胸のポケットに棗くんがくれたあの御守りを忍ばせていたから。 その御守りがあるんだから大丈夫、と思えたらスーッとドキドキは沈んでいった。 試験が無事終了して試験会場を出ると、すぐ近くまで未央が迎えに来てくれていた。 「数学出来た?数学が1番問題数多いんでしょ?」 「うん、数学が1番多かった。でも……何か過去問よりも難しかった気がする」 もし点数がそれなりに取れていたとしても、今日の受験者の中でかなり上の点数を取れていないと、もちろん合格はもらえない。 しかも周りの人のペンを走らせる音が凄く速くて、みんな難しい問題もスラスラ解けてるんだ…って思ったら、少し焦ってしまった。
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