それは確かに、初めての恋だった

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「うー……どうしよう、落ちたかもー……」 「大丈夫だって!とりあえずさ、もう終わったんだし結果発表までドンと構えてようよ!」 「……そうだよね、もう終わったんだし、ソワソワしたって仕方ないよね」 「そうそう!今から美味しいもの食べに行って気紛らわそうよ!」 短かったような、長かったような受験勉強が終わって一安心。 …のはずなのに、少しも安心出来ないのは、やっぱり結果が出ていないからかな。 未央と最近オープンしたばかりのスイーツビュッフェのお店に行き、大好きなフルーツのタルトを口にしながら、棗くんにメッセージを送信した。 『試験、何とか無事に終わりました。棗くんがくれた御守り、効果絶大だったよ!ありがとう』 「なになに?棗くんにメール?」 「うん。いろいろアドバイスもらったから、お礼のメールしておこうと思って」 「ふーん。純って今更だけど、本当に棗くんの事大好きだよね」 「……そう……かな」 好き。 大好き。 その気持ちは、やっぱり変わる事はなくて。 自分でも、その気持ちをどこに向ければいいのかわからなくて困っているくらい。
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