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「いいなぁー…私もそういう恋愛したいなぁ」
未央はお皿に盛られたチョコレートのケーキにフォークを突き刺し、次々とハイスピードで口の中へと放り込んでいく。
そのやさぐれた様子が少し気になって、当たり前の事を敢えて口にしてみた。
「そういう恋愛したいって…未央だって恋してるじゃん。しかも私と違って、未央はちゃんと両想いで付き合ってるわけだし」
「あ、言ってなかったっけ。私、別れたんだカズ君と」
「…えっ!?」
予想外の言葉に驚き過ぎて、思わずガタンと派手な音をたてて席から立ち上がってしまった。
「ちょ、座ってよ。注目浴びちゃうじゃん!」
「あ……ごめん」
周りの人達からチラチラと見られている事に気付き、慌てて席に座り直した。
「待ってよ、それ本当に?だってクリスマスのときは付き合ってたよね?ていうか、初詣だって一緒に…」
「アイツ、浮気してたの。同じ大学の女と。イブの日も本当はバイトじゃなくて女といたんだって。昨日わかって、ソッコー別れた」
「……ウソ……」
信じられない。
あんなに…あんなに優しくて良い人だと思ってたのに。
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