それは確かに、初めての恋だった

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「マジであり得ないしょ。浮気しそうじゃないヤツに限って、そういう事しちゃうんだよね。やるならバレないようにやれっつの」 「……許すなんて事は…」 「ムリムリムリ!許すわけないじゃん。ていうか、浮気したって知った途端、私も冷めちゃったんだよね急に。あ、もうコイツいいやって」 その言葉通り、未央は悲しい素振りなんか微塵も見せず、それはそれは美味しそうにケーキを頬張っていた。 なるほど。 スイーツビュッフェは…ヤケ食いには最適かもしれない。 「でもさ、そこで冷めちゃうって事は、私本気でカズ君の事好きじゃなかったのかなって」 「……そんな事は…ない、と思うけど……」 恋愛初心者の私は、こういうとき何のアドバイスもしてあげられないのが歯がゆい。 「それにさ、何か私も純みたいな恋がしたいなって思ったんだよね」 「私みたいな恋?」 「純粋な恋。棗くんと出会ってからさ、純、毎日キラキラしてるもん。羨ましい。私も純みたいに、誰かの事もの凄く好きになってみたいな」 ……キラキラしてるのかはわからないけど。 ……窮屈だった日々に、光が差し込んだ気はした。
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