エピローグ

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「どれだけ純の写真欲しいんだって話でしょ。それでベタ惚れされてないわけないじゃん」 「……そう…なのかな」 「いいなー!私も恋したーい!」 棗くんと付き合い始めてから、付き合う前とは格段に変わった事がある。 それは、自分の欲深さ。 付き合う前は、好きになってもらえる事自体が奇跡だと思っていたのに。 もちろん今だって、毎日が奇跡だとは思っているけど。 でもやっぱり、それだけじゃ物足りなくなってる自分がいた。 毎日好きだと言ってほしい、なんてそんな無理な事はさすがに言わない。 手を繋ぐだけでやっぱりドキドキするし、目が合う度にキュンとするのは変わらない。 ……だけど、もう少し触れてほしいなんて、相当欲張りなのかな。 以前、未央に『棗くんとどこまで進んだの?』なんて、ストレートに聞かれてしまった事があった。 そのとき、『付き合う事になった日以来キスはしてない』なんて答えたら、未央がやたらと張り切ってしまって。 じゃあキスしてもらえるように研究しようとか、わけのわからない事を言って、未央が最新のメイクを私に施してくれた。
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