幻想GMC関連

5/8
前へ
/33ページ
次へ
【幻想GMC40代組の話4】 「私は浅間にこれ以上人を殺させたくない。荻野、君ならできるだろう?」 「荻野遥として発言するなら俺も君と同じ気持ちだ。でも、支部長としてはあの作業を彼以外にさせることはできないし、あの作業をやめさせることもできない」  垣内は怒りに任せて荻野の胸倉を掴みあげ、「私がやる。元々軍人だ、覚悟はできている」と言葉を吐く。その瞳に映るのは覚悟であり、荻野はそれから静かに目を逸らした。 「君をEU支部に異動させる。期間は三年。少し頭を冷やして来なよ」 「その間にまた浅間に殺しをさせるつもりか! アイツが何と呼ばれているのか知っていて――!」  知っているさと声が部屋に響く。荻野は静かにその赤い切れ長の瞳で垣内を見据え、「悪鬼、死神、妖怪。本当悪い噂しかたってないよね。その割に一部の訓練生にウケがいいのはあいつの素の性格かな」と笑みを見せた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加