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【幻想GMC40代組の話4】
「私は浅間にこれ以上人を殺させたくない。荻野、君ならできるだろう?」
「荻野遥として発言するなら俺も君と同じ気持ちだ。でも、支部長としてはあの作業を彼以外にさせることはできないし、あの作業をやめさせることもできない」
垣内は怒りに任せて荻野の胸倉を掴みあげ、「私がやる。元々軍人だ、覚悟はできている」と言葉を吐く。その瞳に映るのは覚悟であり、荻野はそれから静かに目を逸らした。
「君をEU支部に異動させる。期間は三年。少し頭を冷やして来なよ」
「その間にまた浅間に殺しをさせるつもりか! アイツが何と呼ばれているのか知っていて――!」
知っているさと声が部屋に響く。荻野は静かにその赤い切れ長の瞳で垣内を見据え、「悪鬼、死神、妖怪。本当悪い噂しかたってないよね。その割に一部の訓練生にウケがいいのはあいつの素の性格かな」と笑みを見せた。
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