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三階に到着し、
エレベータの扉が開いた途端に激しく言い争う声が聞こえてきた。
この時間帯にこのビルに居る人間は限られているから、
声の主達はすぐに予想がつく。
「お前が問題起こせば、
社長はこれから施設からの採用枠無くすやろな!ええんか!」
「俺が問題起こしたわけじゃない。
問題なのはあなた達ですよね。」
「生意気言うな!」
彰悟の位置からは距離があったが、
数人があの青年に飛び掛かったのが分かった。
青年は応戦はせず、
軽いフットワークで巧みに攻撃をかわしている。
彰悟はわざとガラガラと音を立てて台車を押し、
陽気な口笛を吹きながら近づいて行った。
揉めていた男たちは部外者が居るのに気付いてハッとしている。
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