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「お父さんとお母さんが二人でお店をやるなら、 僕は家の事を手伝うよ。 ご飯の支度とか、お掃除とか。 僕最近お母さんの手伝いをしてるから包丁も上手に使えるようになってきたよ。 この肉野菜炒めの野菜、 全部僕が切ったんだから。」 この時から正志の夢は三人の目標になった。 やがて綾乃はパート扱いで朝日堂で働くようになり、 彰悟はできるだけ家事を手伝った。 「開店資金の為、節約節約」を合言葉にして夕食にもやしや鶏肉ばかりが 出ても、家の手伝いのために友達と遊ぶ時間が減っても、 こんな店にしたいあんな店にしたいと三人で額を突き合わせて話すのは とても楽しかった。 そして彰悟が6年生になった時、 正志は朝日堂から独立して「ソレイユ」を開店させたのだった。
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