突然の悲劇

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「でもー、秀さんは 売った人に良いもの紹介してくれてありがとうって感謝されるから、 やりがいがあるって言ってたよ?」 たかちゃんと呼ばれた彼は、 はぁーと頭を抱えている。 「かすみ、何でわからねーんだよ。 もっとまっとうに生きていかないと、 すぐに堕ちるとこまで堕ちてしまうっていつも言ってるだろ?」 口をとがらせた女が 「じゃあ、鷹ちゃんの会社で私も働こっかな。 今、募集とかしとらんの?」 「うちは止めとけ。」 低い声で彼が答える。 「なんで?ちゃんとした会社なんやろ?」 「・・・よくない。中の人間が。社長も。」 さっきまで聞いているこちらがイライラするほど呑気な声を出していた彼女が 心配そうに相手の顔を覗きこんで聞く。
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