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ポチャン....ポチャン.... 修繕もされていない、誰もしようとも思わない 廃擦れた小さな神社 此処の神様に手を合わせる人は もう、誰も来ない この町の政治が機能しなくなって この町の住人がよその街へ移住するようになって お巡りさんとか、みんなみんな居なくなって どれくらいの年月が経ったんだろうか 他の街へと続く 道という道が全て外から閉ざされて もうこの町から出られなくなって きっと四年は経っただろう 住んでいた場所は 見放した国への反発なのか意地なのかわからないが 町から出ていかなかったチンピラ達の餌食になって いつの間にか住めない場所になっていた 共に生活していた人は たったひとりを除いて 何処へ行ったのか 生きているのかさえわからない あとは 金目のものなんて何も無かった故 無くなっていたものといえば 冷蔵庫の中身くらいで ああ、あの消費期限切れた牛乳飲まれたのか としか思わなかった 飲む人が居なくなった所為で何時までもドアポケットに残っていたあの牛乳 きっと飲んだチンピラはその後お腹を壊したに違いない 期限切れの乳製品なめるなよ、と ポチャン....ポチャン.... 床に水溜りを作りたくなくて その辺から拾ってきたボコボコのバケツに 退廃した屋根が防げなかった雨水が落ちる だいぶ中身が溜まっていて そろそろ一度捨てなくては、と思う この神社は町のかなり辺境にあって 登るのが億劫になる長い階段を登らなくては来れない 神社の奥は山しか無くて 誰もこんな場所に来る事は無いだろう 来るとしたら.... 「よお」 たった一人
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