半にゃライダー 3

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* 半にゃライダー 危機一髪! 「パラダイスの女神あらわる・オーストラリア編」 * 青い海、白い砂。光る太陽、透き通る水。まさにパラダイス。 「黄金色に輝く美しい海岸をゴールド・コーストって、そのまんまでストレートなネーミングだよね、ナオキ」 にゃん。と答えるナオキの返事に、「にゃんグラス、似合うよ」と満沢は目を細める。 ビーチには、二コール・キッドマン似やミランダ・カー似のオーストラリアン・ビューティーが横たわっている。その視線の先には、サーフィンに興じるレイトン・ヒューイット似やイアン・ソープ似がいた。 向こうではジェット・スキーを操るヒュー・ジャックマン似が派手な水上パフォーマンスを繰り広げ、その海水のしぶきにしみた目をうるうると潤ませる観光客に囲まれていた。 オーストラリアにはしかし、休暇で来たのではない。満沢にもその後いろいろあって、今回はオーストラリア駐在を命じられてやってきた。 奥さんと子どもを残してのこの海外単身赴任は、望んだものではなかった。かろうじて、家族とも言えるネコのナオキだけを、一緒に連れてくることができた。 「オーストラリア、いい所だね、思ったよりは。なあ、満沢」 後ろからかけられた声に覚えがあり、ぎょっとして振り返った。 「小和田常務。なんでここに」 「今は常務ではない。ここ、オーストラリア・ゴールドコーストの支店長だ」 「なに。支店長はこの私、満沢のはずだが」 眉間を寄せ、お互いに睨み合う二人。 「満沢。お前が支店長に命じられた次の日、ゴールドコースト店から5千万ドルの使途不明金が引き出された。小遣いにしては大きい。それを洗い出すために急遽俺が派遣された」 「私が疑われたわけだな。そんなでたらめ、調べればすぐに明らかになる」 「さあ、どうだか。とにかくお前の財産、日本の家屋は現在差し押さえられている」 「なに。一体誰の仕業。もしや」 満沢は、ギロリとした上目遣いで、小和田元常務を睨みつけた。 「ふふ。気づいたか、満沢。あの時の土下座の恨み。5千万ドルを背負ってもらう」 「くっそぉ~。私を甘く見ては困る。やられたらやり返す。倍返しだ。覚えておいていただこう」
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