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「馬鹿め。ふふ。俺は・・・お前の・・・父親だ・・・」
「ノォ~~~~」
ナオキが一瞬ひるんだ。
「それを本気でおっしゃっているなら、あんたこそ大馬鹿だ! いまさらそんな言い分が通じると思うなよ!」
大丈夫。満沢がしっかりとサポートしてくれる。ちょっとしたちぐはぐ感は払えないが、ま、ね。
「俺は世界平和を願う。二度と邪魔をしないでいただきたい」
そう言うと、満沢はオーストラリア政府から出された国外追放文書を小和田トカゲの目の前でバッと開いて見せた。
トカゲ目では文字が読めない小和田は、シュルルと支店長の姿に戻り、改めてその文書を手にしてガン見すると、がっくりとうなだれた。
「これで触蚊屋マーケットも差し押さえ、閉店。お前は、生涯もう二度とオーストラリアには入国できない」
「はい、わかりました」
小和田支店長始め、触蚊屋マーケット関係者は、首都・キャンベラから派遣されたオーストラリア出入国管理局に連行された。
「高校生の皆さん」
満沢が般若と鬼神の面を手に、ニコニコと祥吾たち三人に向かってきた。
「皆さんがあの触蚊ルーに向かっていったときの心意気はすばらしかった。勇気をもらいました。もしよろしければ、この面を受け取ってもらえませんか」
「でもこれは・・・」
「ナオキのは日本に帰ればスペアがあります」
「そうですか。ありがとうございます。大事にします」
満面の笑顔で、嬉しそうにその般若と鬼神の面を受け取ったのは瞬。祥吾にふふと流し目を送った。
「祥吾、修学旅行が終わったら、特訓だ」
祥吾の背中がガクブルとした。後のこの高校生三人の友情と青春については、別のところで語るとしよう。
オーストラリアの触蚊屋マーケットはつぶされた。ビジネス失敗で海外からは撤退だ。けれども、本店、いや、本部アジトはやはりジャパンに。
半にゃライダーの戦いは続く。
ジャン。
(半にゃライダー「4(フォー)」に続く、のテロップ)
カリスマビッグバンドによる、泣かせるバラードのエンディング。
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