プロローグ

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 彼女は古里井ヒュウのことが好きだった。  前回のシンギュラリティから半世紀が経ち、人間が人間を愛する意味がそれほど無くなった今、人間を愛する人間はとても珍しかった。  彼女の想いに触発されるように古里井ヒュウも彼女のことが好きになっていった。  その少女は、古里井ヒュウとの関係をより良いモノにするため、良く僕に相談しに来ていた。  少女の名前は螺旋アリス。  最初の物語は、アリスが僕に相談を持ちかけ、人を殺したいと告げ、そして彼女が人を殺すまでの物語。  まだ、最後の技術的特異点であるアポカリプスがその全貌を見せる前の物語である。
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