編集社

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大阪のとある雑居ビルの中に その雑誌編集社はあった。 「直樹ここだよな…」 「あぁ…いってみるか…」 二人は汚ないドアの扉を叩いた 「すみません!ちょっとお聞き したいのですが?」 奥から無精髭をはやした40代らしき男 が現れた。薄い色のサングラスをかけて おり、あからさまに怪しかった。 「なんや?君らは?」 「あのですね、川添さんについて お聞きしたいのですが…」 啓介は率先して答えた。 「川添さん?…あぁ!最強生物かいな!」 男は表情が変わった。 「なんや!あの記事読んでくれたんか?」 「はい!是非詳細を知りたくて!」 啓介は、はきはきと答えた。もはや完全に 川添探しにはまっている。 直樹はキョロキョロしながら、例の鼻歌 を小さな声で口ずさんでいた。 二人は汚ないソファーに案内された。 「で?何が聞きたいんや?」 男は楽しげな表情を浮かべている。 「いやぁ…先日ぼくらこの雑誌の情報で 秋田県までいったんです。でも何も発見 できなくて…失礼ですが、そもそも川添 さんっているんですか?」 啓介は真剣にたずねた。 「おるで!」 男は笑いながら即答した。 「どこにですか!?教えて下さい!」 「いやぁ…兄ちゃん、わしも居場所 まではわからんのや。ただな、君らの 知らん情報がある。」 そう男は言うとつらつらと語りだした。 「汚ないリュックサックを背負い、 ピンクの自転車に乗っ取るで!」 男は自信満々に告げた。 啓介は内心けっこうそんな人いるわと 思った… そんな中、直樹の鼻歌と男の鼻歌が 見事にシンクロした! 「兄ちゃん!それは…どこで!」 男は焦りながら最後の情報をくれた。 「その歌やで!川添さんも口ずさんでるわ!」
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