年月日不詳 裁判所

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 地裁の前は人だかりが出来ていました。報道陣の姿もあります。  どうやら、国を相手取った賠償訴訟のようでしたが、その弁護団の一人としてウサさんも参加していたみたいです。  この時点で、もう僕は『夢かな……やっぱり』そう思いました。  ウサさんが、国賠なんかの仕事をするわけないですから……しかも弁護団とか、チームワークのある友人なら、僕もフジさんも苦労しませんからね。  でも、ウサさんは優しいから、何かの事情があったのかな。  そう考えると、急にリアリティが湧いてきました。    その時、報道陣がワッと騒ぎ立てました。  どうやら裁判所から一人の若い女性が出てきたようです。  報道陣の包囲網を突破し、こちらに向かって来たのは……タカツキくんやロシュくんよりも若い少女でした。
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