年月日不詳 裁判所

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「ルテア!」  タカツキくんとロシュくんが同時に叫びました。  そして、その背後から、長身で異国顔の僕の友人もニコニコ笑って出てきたのです。  少女――ルテアさんは、こちらに気づくと半泣きになりながら、駆けてきました。 「助けて下さい!」  そりゃ、そうだろうなと僕は鼻息荒い友人を彼女から隔離しました。 「あれ、アサトだ!」  ウサさんは、キョトンとした顔で僕を見ました。  その時、友人の左手に(アクセサリのように)くくりつけられていた青い石から光が発せられ、僕が持っていたエアリエルの原石と共鳴しだしたのです。  あたりに閃光が走り、目が眩む中をタカツキくんの声が聞こえました。 「白井さん!この隙に逃げましょう!人目に触れるのはまずいです!」  この若さで、僕にはないリーダーシップをとれる彼が羨ましくなりました。まったく、異論はありませんでしたので、僕たちはエアポリスの皆さんと一緒に路地を走り出しました。
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