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葉月の言葉に変人は
「え?僕の名前?は、恥ずかしいな…」
と、恥らいながら言った。
「じゃあ、結構です。この件もなかったことに」
葉月はその姿を見て、白けた顔でそう言い、その場を去ろうとする。
「ええ!?待って待って、今のなし!言うよ!僕の名前は伸一郎!伸一郎っていうんだ!」
焦るように変人、もとい伸一郎は言った。
葉月はピタリと進もうとするのを止め、伸一郎の方へ向いた。
伸一郎はほっとした顔になり、「それじゃあ君の名前は?」と聞いた。
「私の名前…は……葉月、よ」
葉月は言うのをためらったが、聞いたからには自分も答えなければ…と、ためらいがちだが答えた。
「へぇ!葉月ちゃんか!かわいい名前だね!」
恥ずかしげもなく、ストレートに言われたので、葉月は不意打ちをくらい、頬を赤く染めた。
「っは、普通の、名前だし…っ」
とぎれとぎれに葉月はそう言った。
「あれ?もしかして照れてる?」
葉月の顔を覗き込むように顔をかしげながら、伸一郎はそう言う。
「はぁ!?照れてないし!?なに言ってんの!?」
葉月は手の甲を顔に押し当て、焦ったようにそう言う。
「うんうん、そっかそっかー」
ニコニコ笑いながら、そう言われ、葉月は
「照れてない!!」
と強く、大きな声でそう言った。
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