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「ねーねー。僕の話も聞いておくれよー。なんならひとつ言うことを聞く券もあげるよー」
では外国にいつの間にか来た…ということだろうか?
いや、それには無理が……だが
可能性はゼロではないか…
それとも……
「もしもーし、お嬢さーん?
ねーねー」
……
うるさい。
いうこと聞く券ってなんだ。小学生か。
葉月はイライラしながらこの場所について改めて考える。
「お嬢さーん、僕の声聞こえてるかなー?」
……が、目の前の男の声のせいで考えることができなくなった。
「うるっさい!!」
我慢できずに、葉月はついに声を荒げて怒鳴ってしまった。
その姿に男は「わー怒った―」と軽い口調で言う。それは小学生のように。
その態度が葉月のイライラを増幅させていく。
それでも葉月は二度の失態は犯さず、冷静に、落ち着いて声を出した。
「……なにか御用でも…?」
声を抑えながら葉月は言う。
「なにか御用でも?じゃないよ!僕の話を聞いてほしいんだ!まず僕の日常から始まり、僕の食事、起きる時間から寝る時間まで全てを!」
ドドンッという効果音がつくような威張りようだ。
エッヘンと笑いながらいる男に一歩引きながら
「興味ない」
葉月は一刀両断した。
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