しらない場所、知らない人

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ああ…… 何で言うの… 恨めしい気持ちになるが、気持ちを静めて、一人で何もないところで転んだ言い訳を考える。 そして挙句の果てに、 「……ネズミが通ったから驚いて転んだだけよ」 と、よく分からない言い訳を葉月はする。 「ネズミ!?どこに!?」 変人はネズミと聞いて目を輝かせる。 「え、あ、あっちに走って行ったわ」 葉月はとっさに右を指して言う。 変人はその方向を見ながら、「あーあ、もういないか……」とつぶやいていた。 ……ごまかせた… 葉月は静かにホッと息をはく。 「でもこんなところにネズミなんていたかなぁ」 うーんと唸る変人の言葉にドキリとしつつも、 「ネズミくらいそこらじゅうにいるわ」 と、ごく自然に、動揺せず言った。 「うーん、まぁいっか!それよりお嬢さん!!」 ズイっと近づいてきた変人に一歩引きながら「……はい?」と返事をしてしまった。 「どうしてここに?」
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