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「……ねぇ棗くん、さっき関さんが言おうとしてた事、何だったのか気になるんだけど…」
「あんたは知らなくていいよ」
やっぱりそう簡単には教えてくれないか。
でも聞きたい事がまだまだある私は、懲りずに質問を続けた。
「……棗くん、私とどうしても週末一緒に過ごしたかったの?」
すると棗くんはマグカップにちょうど口をつけたところだったのか、ゴホッと咳き込んでしまった。
「ちょ…棗くん、大丈夫?」
「……大丈夫じゃないし。何言い出すんだよいきなり…」
「だって関さんがそうやって教えてくれたから……」
「アイツ、やっぱり余計な事ばっかり……」
棗くんは、はぁ……と深い溜め息をつき、気を取り直したのかまたコーヒーを一口飲んだ。
そして。
意外にも、あっさりと白状した。
「……そうだよ。悪いか」
「わ…悪くない!私だって毎週、週末は棗くんに会えるの楽しみにしてるもん!」
出来る事なら、週末だけじゃなくて毎日会いたい。
けど、そこは大人な棗くんに合わせて自粛中。
仕事をしていたら、毎日会うだなんて無理な事だってちゃんとわかってる。
その分、週末だけは会いたいって言ってもいい時間だから。
だから、会えたときはいつも傍で棗くんを感じていたいんだ。
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