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「わかってると思うけど、旅館に着いたらすぐに連絡する事。それから、薬と水は必ず常備して、急な発作が起きても対応出来るように…」
「わかってるよ、パパ。そんなに心配しなくても大丈夫だから」
「心配するに決まってるだろうが。ったく、男と旅行なんて…まだ早いのに……」
ブツブツと文句を言いながらも、私の荷物を棗くんの車へと運んでくれるパパ。
てっきり今回の旅行は、パパに猛反対されて計画は失敗に終わると思っていた。
それが、予想外にそこまで反対されなくて。
棗くんがパパをどうやって説得したのかはわからないけど、意外にもスムーズに計画が進んだ事に私は驚いていた。
「いいか?梶真。旅館に到着するまで絶対気を抜くなよ。純を助手席に乗せてるんだからな。もし純に何かあったら…」
「部長、安心して下さいって。ちゃんと安全運転でいきますから」
過保護なパパは何度も何度も棗くんに安全運転を心がけるように忠告し、結局最後はしつこいパパを強引に振り切るようにして車を発進させた。
「……相変わらず、部長のあんたへの愛情ハンパないね」
「……いつも恥ずかしいところをお見せしてしまって、ごめんなさい」
「もう慣れた」
棗くんがパパの事を嫌いにならずにいてくれて、本当に助かってるし有り難いと思ってる。
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