何があっても、君の傍にいるから

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「疑うとか、生意気」 「……疑ったんじゃなくて、ちょっと嫉妬しちゃっただけなの」 「嫉妬?」 「……棗くんにとっての初めての相手が、全部私だったらいいのにって」 「……」 「そう思っちゃっただけ」 本当に。 この子はどれだけ俺の心を奪えば気が済むんだろう。 発言の一つ一つが、確実に俺の胸の奥に突き刺さっていく。 「あのね、棗くんの事を好きになって、初めてわかった事なんだけど。私、もしかしたらだいぶ嫉妬深いかもしれなくて…」 「いいよ。……むしろ、その方がいい」 「え…」 「多分俺は、あんた以上だから」 俺以外の男と、親しくしてほしくない。 他の男の話なんか、本当は聞きたくない。 俺に向ける笑顔と同じものを、他の男には見せないでほしい。 口には出さない分、濃厚なキスで想いを伝えた。 きっと全部は伝わらない。 でも、それでいい。 ただ、互いの想いが一緒なら。 それだけでいい。 それだけで、幸せだと思えるから。
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