何があっても、君の傍にいるから

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「遅い」 「え、でもまだお昼過ぎだし…」 「口答えはいいから。純は早く家に入れ」 「……はぁい」 結局、露天風呂で朝早くから彼女にちょっかいをかけ続けた結果。 朝食の時間があっという間に押し迫り、俺達は慌ただしく朝食を食べ終えて支度に取りかかった。 そして時間ギリギリにチェックアウトし、どこか寄ってから帰ろうと話していたとき。 彼女のスマホに、部長から連絡が入った。 それも、何度も。 『どこにも寄らずに真っ直ぐ帰って来い』 出来れば無視してもう少し二人きりの旅行の時間を満喫したかったけれど。 俺のスマホにも部長から連絡が入り、仕方なく寄り道はせずに彼女の家まで車を走らせた。 無事に彼女を送り届けると、家の玄関の扉が勢いよく開き部長が飛び出してきた。 娘の事がよっぽど心配だったのか、無事に帰ってきた彼女の姿を目にして、部長は明らかにほっとした顔を見せた。 「待て純」 「何?パパ」 「お前、梶真に何か変な事されなかっただろうな」 その言葉を受けて、玄関に向かっていた彼女は足の動きを一瞬止めた。 ……いや、バレるから、絶対。
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