何があっても、君の傍にいるから

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「な…何言ってるの、パパ。変な事なんて、されてるわけないでしょ」 「ぶっ」 車から降りてその様子を眺めていた俺は、可笑しくて思わず笑い声を抑えられなかった。 もうほとんど棒読みじゃん。 鋭い部長なら、今ので察しがついただろうな。 「じ、じゃあ、棗くん、またね!後でまた連絡するから、気をつけて帰ってね!」 彼女は両親や友達に買ったお土産を両手いっぱいに抱えながら、家の中へと消えて行った。 外に残されたのは、俺と、不機嫌な様子を一切隠そうとしない部長のみ。 ……仕方ない、帰る前に気合い入れるか。 「梶真」 「はい」 「純の体調は?一日、平気そうだったか」 「えぇ…ずっと元気でしたよ。ちゃんと薬は昨日の夜も今朝も飲んでたんで大丈夫です」 「そうか。それなら良かった」 「……じゃあ部長、僕はこれで」 「待てって。まだ話、終わってないから」 ……やっぱあの質問に答えないと帰らせてくれないのか。
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