何があっても、君の傍にいるから

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「何ですか」 「……やっぱりいい。もう帰れ」 「え。いいんですか?聞かないんですか、昨日の夜の事…」 「あー!言うな!聞こうと思ったけどやっぱり聞きたくない!……しばらく立ち直れなくなりそうだ」 部長は顔を思いっきり歪めながら、家の塀に寄りかかった。 帰ろうとしていた俺を呼び止めたくせに、早く立ち去れと手で促す始末。 会社では、本当に仕事が出来て尊敬出来る上司なのに。 ……プライベートとのギャップ、凄すぎ。 「部長」 「何」 「心配しなくても大丈夫ですよ。何かあったときは、ちゃんと責任取りますから」 「せ…責任ってお前、それ…!」 「じゃあ帰ります。お疲れ様でした」 「おい待て、聞き捨てならないぞ今の言葉は!」 何でも素直に反応してくる部長と、俺に対していつでも素直な彼女の姿がダブって見えるのはきっと気のせいなんかじゃない。 やっぱり親子だから、似ている部分が多々あるんだと思う。
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