何があっても、君の傍にいるから

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それにしても、どんだけ熟睡してるんだよ。 何か、寝ながらちょっと笑ってるし。 こっちは昨夜の記憶が鮮明に蘇ってきて、目が冴えちゃってんのに。 「……よく寝れるな、ホント」 全く起きる気配がない事にちょっとだけムカついて、寝ている彼女の頬を軽くつねってみた。 「…んー……なつめく……ん……」 「………」 もしかして、夢に俺が出てるとか。 それでこんなに幸せそうな顔して寝てるんだとしたら。 ……この子はホント、いちいち俺のツボを刺激するんだよな。 「……純」 俺の声なんか耳に届いていないとわかっていながら、彼女の名前を口にした。 純粋で何に対しても真っ直ぐな彼女の事をそのまま表している名前。 こんなにも、名前とその人柄が当てはまる人はいないと思う。 普段はつい癖で、『あんた』と呼んでしまうけど。 「純」 本当は、何度も呼びたくなるくらい、好きな名前。
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